−バックドアとトロイの木馬−最近のウイルスの大半は「複合型ウイルス」と呼ばれているものです。この複合型ウイルスの大多数が「セキュリティホール+ワーム、トロイの木馬」という形態をとり、実行時の感染率が極めて高いウイルスです。その中でも、昨今特に感染症状としてPCにバックドアを埋め込むトロイの木馬が増えています。
ここではバックドアが引き起こす脅威を詳解して、みなさんのセキュリティ意識を高めていただきたいと思います。
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■トロイの木馬とは
以前にも紹介したとおり、トロイの木馬とは「発病」を目的として作られたプログラムです。計算機や日記帖など、有益なプログラムのフリをしているため、気付かずにインストールしてしまう場合があります。
感染した場合の症状としては、破壊活動を行うなどシステムに致命的なダメージを与えます。また、目で見ることが困難な「バックドア機能」を搭載しているトロイの木馬が急増しています。
このように、トロイの木馬は「広げる」を目的としたワームとは性質的に異なり、感染したPCと管理者に確実な不利益を与えます。

■バックドアとは
バックドアとは、正当な手続きなしにシステムまたはPCにアクセスするために設けられた裏口です。特に以下のような特徴をもっています。
・PCの所有者が、パスワードを変えるなどしてマシンを守ろうとしても、そのマシンに侵入することを可能にしてくれる。
・視覚的な存在を最小限にする→所有者がPCを使っているときでも、侵入者は気付かれないように同じマシンで作業を行うことができる。
・バックドアを仕込むことに成功した侵入者は、次回の侵入時には瞬時にマシンにアクセスが可能となる(パスワード省略機能などで)。


■有効な対策ってあるの?
もしも、自分のPCからバックドアが発見されたら、そのときは既に手遅れです。適切な方法でバックドアを削除したところで、大切な情報はクラッカーの手元にあるからです。重要なことは未然に防御することであり、そのためにはセキュリティパッチをこまめに当てることです。
クラッカーがバックドアを仕掛ける際には、必ず既存のセキュリティホールを利用します。もちろんパーソナルファイアウォールなどのソフトウェアでも防御は可能ですが、残念ながら完全なものではありません。OSだけではなく、インストールしているソフトウェアのセキュリティパッチも当てるようにしましょう。