−ホットメールの危険性−ホットメールとはマイクロソフト社が提供しているフリー(無料)メールサービスです。同じくフリーのyahooメールやAOLメールとともに、人気があり便利なメールサービスです。
ここででフリーメールの危険性を取り上げたのは、これらのフリーメールユーザを狙ったウイルスが増加したためです。
また、多くの企業が業務でのフリーメールの使用を推奨しない本当の理由に触れ、みなさんのセキュリティ意識を高めていただきたいと思います。
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■ホットメールを狙ったウイルス増加
ホットメールを悪用または攻撃するために作成されたウイルスが急増しています。このホットメールは、過去にも紹介したこともある凶悪なウイルスであるW32.BadtransやW32.Chirなど、送信元詐称やセキュリティホール悪用といった脅威の標的になっています。ウイルサ(ウイルス作成者)にとってそれだけの価値(ユーザ数の多さ)がホットメールをはじめとするフリーメールには存在し、感染者数の多さがそれを物語っています。

■簡単に個人情報をハッキング
各フリーメールが提供しているメッセンジャサービス(チャット形式でオンラインのメンバと会話などができるもの)を悪用して、パスワードや管理者権限を強奪する手口が増えています。具体的には、フリーメール(メッセンジャ)使用時にユーザーが気付かないように偽装した「トロイの木馬」が送られてきます。自動的に実行されるこのトロイの木馬は、再びメッセンジャへのログインを要求してきます。このとき表示されるログインフォームが偽物で、入力したパスワードが攻撃者に送信されてしまいます。そして攻撃者は入手したユーザー名とパスワードを使って、契約者本人に「なりすます」のです。

■管理されるべき情報
多くの企業でフリーメールの使用を推奨しない理由は、ウイルス感染やアカウント盗難を避けるためだけではありません。例えば、当IT開発事業本部の資産(みなさんのマシン)には統一されたウイルス対策ソフトが導入されていますし、業務遂行に不用意なフリーメールの利用はシステムで管理されています。フリーメールの使用を推奨しない最大の理由は機密情報の漏洩、すなわち社員の情報の無断持ち出しを抑制したいがためです。セキュリティ意識の低い人間は「フリーメールを禁止されたって、他の方法で機密情報なんて持ちだせる」と考えるかもしれません。しかしそのような人たちは、その行為を既にセキュリティ管理者が把握していることを認識すべきです。欧米やEUでは、セキュリティ管理者は、『従業員の心の健康チェック』を重要な業務と位置付けています。日々のコミュニケーションで培われる人間関係が、人的セキュリティインシデント(脅威発生)の予防策となっているのです。
機密情報の漏洩は、内容によっては取引先からの信用を失い、大きな営業損失を招くことも稀ではありません。わが国の医療業界も例外ではなく患者情報の漏洩は、法整備が成された今、大きなスキャンダルに繋がる恐れがあります。企業ブランド名の損失です。