−システム監査の技法−システム監査の技法は、従来から一般的な監査にも使用されてきた「伝統的監査技法」と、システム監査特有の「システム監査技法」に分類されます。システム監査の実施においては、監査技法を活用して監査証跡の確保とその内容の検証を行います。監査証跡とは、「システムのどの個所においても取引を選び出すことができ、かつ、選び出した取引をシステムの中で追跡できる能力をもった証拠」で、取引が発生してから、最終的に各種管理資料(決算書や伝票)に正しく表示されていることを確認するための記録(群)ともいえます。
■伝統的監査技法
伝統的監査技法の代表的なものとして、質問書・インタビュー・ウォークスルー・実査が挙げられる。
・質問書
→主に、予備調査の段階で使用される
→過去の経験を蓄積することができ、経験の少ない監査人でも基本的な事項を漏れなく監査することが可能
→質問項目の標準化を図り、組織間の比較が可能
→日本公認会計士協会「EDPシステム内部統制質問書」を利用できる
・インタビュー
→主に、本調査の段階で使用される
→被監査部門の管理者・担当者と面談し、聞き取りを行う
→回答者によっては、事実を隠蔽したり、適当に答える場合も想定されるため、回答内容を充分に整理・評価する必要がある
・ウォークスルー
→予備調査・本調査・最終確認のいずれの段階でも使用される
→現地にて業務の実施状況を観察・調査する
・実査
→予備調査・本調査・最終確認のいずれの段階でも使用される
→監査人が直接、実物や記録を検査する
■システム監査技法
システム監査技法の代表的なものとして、テストデータ法・汎用監査ソフト法・組込監査モジュール法・ITF法(ミニカンパニー法)・並列シミュレーション法・スナップショット法・トレーシング法・マッピング法・コード比較法が挙げられます。